仕事帰りに、ちいさな会場で催されたピアノコンサートに行ってきました。
聴き心地が良いので、ここのところ毎朝・毎晩繰り返し繰り返しCDで聴いている、
バッハの「平均律クラヴィーア曲集第1巻全曲」。
それを生演奏で聴ける貴重な演奏会だったので、チケットの入手時からずっとこの演奏会を心待ちにしていました。
コンサートの当日は、朝からものすごいスピードで無理やり仕事を片付けて、会場にはダッシュで向かいました。
その会場ですが、人が満杯に入ったとしても おそらく250人程度の規模。
どの席からも、感覚としては舞台にひょいと手が届きそうな感じです(あくまでイメージです・・)。
サントリーホールのような大きなコンサートホールでフルオーケストラの演奏も素晴らしいでしょうが、小さな会場でのソロ演奏やカルテット(4人での演奏)なんかも、奏でられる音がはっきりと聴きとれてお勧めです。
ピンスポットに照らされて、お待ちかねのピアニストの方が舞台に登場すると、自然と温かい拍手が客席から沸き上がります。
丁寧にお辞儀をした後、そのピアニストは、おもむろにグランドピアノの譜面台の上に、「iPad」を置きました。
そしてグランドピアノの足元のペダルの左側の空いているスペースに、なにやらもうひとつ、「黒い高さのあまりない箱のようなもの」をパタンと置きました。
ほどなく、演奏がはじまったのですが、わたしの目はどうしてもそれらにくぎ付けになってしまいました。
帰宅後に調べてみると、どうやらこれらは
- タブレットを活用した電子楽譜
- そのタブレットとBluetoothで接続された譜めくりペダル
と呼ばれるものだったようです・・( ;∀;)
演奏中、ピアニストの方が、時々左足でその黒いペダルをポンと踏んでいる様子が見受けられたのは、譜面を素早く器用にめくっていらしたのですね。
いま、いろいろな分野にIT化の波がきているんだなあ、と初めてその様子をみたわたしは感心してしまいました。
写真は足元に置かれた譜めくりペダル
こちらは、神戸北町しばたピアノ教室さんの写真をお借りしました。
右のペダルを踏むと、電子楽譜を次のページに進めることができ、左のペダルを踏むとページが前に戻る、とありました。
ちょっと考えたのですが、
おそらくタブレットを利用した電子楽譜と、譜めくりペダルを使用すると良い点は、
- 何曲も演奏する場合に、楽譜を持参し忘れることがない。また紙媒体で持参しなくてよいので、その分荷物が軽くなる。
- 特に野外で演奏するときには、風で楽譜を飛ばされてしまうことがない。
- 舞台上、ライトの位置によっては多少暗くても、タブレットなのでそれなりにちゃんと譜面が見える。
- 楽譜に書かれた小さな音符なども、ほどよく自分好みに拡大表示できる。
- 使用する製品の性能にもよるでしょうが、慣れれば素早く静かに楽譜をめくれる。
こんなところでしょうか?
反対に、一般聴衆として、勝手ながらやや心配に思えるのは、
- 譜めくりペダルを力強く踏みすぎて、表示したいページが飛んでしまうかもしれないリスク。
- 静かな演奏の時の譜めくりペダルの音。
- なんといっても電子機器なので、電子機器の発する小さなライトが時々点滅すること。
- 演奏中のまさかの充電切れリスク。
などです。
ソロの演奏会の場合、演奏者の傍らでそっと譜めくりする方が、あくまで黒子に徹していらっしゃる姿を見慣れているわたしには、今回のコンサートでの光景はちょっとしたカルチャーショックでした。
おそらく演奏者の方たちの間でも、楽譜は「紙派」や「電子派」の方々もいらっしゃることでしょうし、
電子化しても「失敗あるある」なのではないかな、と思われます。
でもおそらく演奏中になにか失敗があってもきっと焦っている顔を見せないように、上手に誤魔化してらっしゃることと思います・・(*^-^*)
それにしても、帰宅後、冷静になってみると、せっかくの生演奏でしたから、もう少し音楽に集中したかったです(*_*;
でも演奏会のIT化を知ることができて、ちょっと面白い体験でした。
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