2024年大河ドラマは藤原道長と紫式部のおふたりを中心とした物語となっています。
このなかでわたしが現在注目しているのは、ストーリー以外では
手紙などに書かれた
かな文字の美しさ
です。
墨の濃淡、
書き手の心情や息遣いが感じられるようなリズミカルな筆の運び、
文字の配置
などに注目してみています。
役者さんもさらさらと筆をとるシーンもあるので、
きちんと練習されたんだそうです。
それも、演じられる役の個性を考えて、
「きっとその人の書く文字はこんなんだったんではないか」風に練習したんだそうです。
細かいですね。
そして役者さんが書かれたものがそのままドラマでも使用されているシーンがあるそうです。
手元と共に書いた文字がアップになるシーンも多く見受けられます。
文机を使わず、片手で紙を持ったままその上に字を書くシーンは、紙が安定せずに特に大変なのではないでしょうか。
個人的には「三跡」(さんせき)のおひとりに入る
藤原行成(ふじわらの ゆきなり/ふじわらの こうぜい)さんの文字が気になります。
役者さんは渡辺大知さんが演じてらっしゃいます。
まひろ(紫式部)役の吉高由里子さんは、なんと左利きなのに、このために右手で文字を書く練習を、撮影の半年前からし始めたそうです。
当時は文字を書くのは絶対に右手だったからで、左手で書くというのはあり得ないからなのだそうです。
その為の先生は、この「光る君へ」の題字を書かれた書家の根本知(ねもと さとし)先生。
役者さんへの書道指導も兼任されています。
さきほどの、おひとりおひとりの役柄に合わせた文字の考案もお一人でされたそうです。
ちなみに藤原道長さんの文字は「御堂関白記」などで直筆の文字を観ることができます。
でも、紫式部さんの文字の直筆のものは残念ながら残っていないそうです。
「光る君へ」のホームページから先生のインタビュー記事を読んでみると、とても興味深いです。
平安書道マニア、平安マニアとおっしゃる根本先生。
平安時代が好きから始まっていて、人生をそこに使いたかった
のだそうです。
以前私は筆記具メーカーのパイロットの通信講座でペン習字を習っていました。
習ってみて思ったこと・・。
日本語でいちばん美しさを感じるのも、
難しいと思うのも、
「かな文字」なのではないかなあということでした。
かな文字がもっとも発達したのが、平安時代。
レッスンが進んでいくと、
和歌などを「散らし書き」するという課題がありました。
散らし書きとは、
行頭の高さ、行間の広さなどに変化をつけて文字を自由に配置して書く手法のことです。
ここでもかな文字の線の美しさ、今書いている文字と次の文字の流れを意識して書いていたのですが、
文字の配置も含めて「自由」なだけにセンスを問われて難しかったです。
いつも「散らかし書き」になっていました・・(*_*;
最後に☆
こちらからは、
①平安時代の仮名(かな)を使って文章(ふみ)を作れるツール「かなふみ」。簡単に画像作成ができます。
②それから紫式部が敦成親王(のちの後一条天皇)のご誕生を祝う宴で詠んだ祝賀の歌を、根本先生がお書きになった作品の画像を観ることができます(根本知さんインタビュー④『かなふみ』の楽しみ方に掲載されています。)
きっと目の保養になるかと思います。
③制作の裏側や「かな」についても知ることができます。
ちなみに、わたしがこのNHKクリエイティブ・ライブラリーで作ってみた画像です。
「おなかすいた」と書いてあります(^_-)-☆
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