約3年ぶりに寄席に行ってきました。
と言いますのも、コロナ禍の為に、寄席に通うことが出来なかったからです。
この間YouTubeやラジオ等で落語を楽しんではいたのですけれども、やはりどこか寂しいものがありました。
そもそも寄席に行くようになったのは
学生時代に友人に誘われて行ったのがはじまりです。
どなたか特定の方の独演会ではなく、〇〇亭とか△△演芸場で行っている当日の催しを聴いたのです。
たくさんの落語家さんが出演されているので割と短めのお噺を次々と聴いた感じです。
「枕」から今日の演目への流れが自然過ぎます
その後、しばらくしてから桂枝雀さんや桂歌丸さん、春風亭小朝さんや春風亭昇太さんなどおひとりの方や数人がじっくりとお噺される独演会・二人会に行くようになりました。
そこで気が付いたのです。
みなさんいきなりその日の演目をお話になるのでなく、今世間で話題になっていることや落語家さんご自身に最近あったことや趣味のこと、本題と関連する小噺などを目の前の客席の反応をみつつ「さらり」とお話しして場を沸かせていたかと思いきや、いつの間にか演目に入っていくのがそれはそれは自然でお見事なのです。
落語の頭の部分につく話なので「枕(まくら)」と呼ぶそうです。
そういえばずっと昔、初めて柳家小三治さんの落語を聞いたときは驚いてしましました。
何故かといいますと、「枕」が長くてなかなか演目が始まらなかったからです。
30分位だったでしょうか。最近ご自身が行かれた海外旅行のお話でした。
その「枕」が絶品でした(本編のお噺は何だったか覚えていません。ごめんなさい)。
小三治さんもあまりに枕部分で客席が沸いていたので、「今日はこれで帰ろうかな」とおっしゃっていたほど。おちゃめですね。
どの演目にするかは高座に上がってから決める、って凄すぎます
当日寄席で配布しているプログラムには、その日の演者さんのお名前と登場の順番が書いてあるだけです(最初からチケット販売の時に既に演目が決まっているケースも中にはあります)。
最初は「?」でした。
なんでも各寄席では楽屋に「ネタ帳」というのが置いてあって、「いつ、どなたが、どの演目」でお噺されたかが書かれてるそうです。そのネタ帳を演者さんが当日見てから、
①演目が他の方とかぶらないように
②今日のお客さんの年代や反応をみて
高座でお決めになるとのことです。
どれだけ演目のストックがあるのでしょうね。凄すぎます。
こちらは当日の演目です。最後に完成します。
予習はいらない ただただ楽しむ
落語はたくさんお噺があり、落語家さんもたくさんいらっしゃるので同じお噺でも落語家さんによってお噺の味付けが異なります。既に知っているお噺でも、全く初めてのお噺でも無心で楽しめるものだと思います。
お腹を抱えて笑ってしまうものや、ホロリとさせられるもの、怪談話にヒンヤリとさせられるもの等いろいろありますが、その時その時で味わえば良いのだと感じます。
大人になると目に涙を浮かべて笑うとか、お腹を抱えて笑うとかが何故か少なくなってしまいますので、心を動かしてくれる落語はいいなあって思います。
応援したくなる落語家さんを見つける楽しみ
まったく予備知識がなくても、たまたま寄席やYouTubeやラジオなどで耳にした落語。
そこから少し興味を持って気になる落語家さんを密かに(もちろん大っぴらでも)ご贔屓にするのもなかなか良いものだと思います。
落語のことを書いていたらまたどこかの寄席に行きたくなってしまいました。