数年前に新聞の記事で知って以来ずっと気になっていたところに思い切って行ってきました。
本当はもっと早く行きたかったのですが、コロナの流行が始まってしまったために行けなかったのです。
行ってきたのは、東京都渋谷区代々木(最寄り駅は参宮橋駅)のピカレスクというアートギャラリー内にある「手帳類図書室」という小さな図書室です。
手帳や、日記、ネタ帳などの本来自分以外の人に見せる予定のない「手帳類」を、志良堂正史さんという方が収集して作られた場所で、有料ですがその手帳類を拝見することが出来る場所です。
最初はなぜそんなことを???、と思っていました。
おおっぴらに人様の手帳類を拝見することなんて普通はないことですものね。
でも記事を読んでいくうちに、パーソナルな手帳類を読み、その方の人生の一部を追体験することで、大げさに言うと「人生のなんらかのヒント・気付き」があるんじゃないかなあと思いました。
訪れる方は小説家志望の方がネタ探しに、ドクターがご自分の担当する患者さんと同じご病気の方の書いた手記を何かのヒントなるかもしれないと訪れたり、それこそ多種多様な方がいらっしゃるようです。
志良堂さんも人の手による1点ものの手帳類に価値を見出して図書室というかたちになさったんだと思います。
最初は購入というかたちで、現在は寄贈というかたちで集めていらっしゃるようです。
キャラリーの中の小さな図書室では、まず手帳類の目録から読みたいものを選ぶところから始まります。
目録では蔵書は数字とアルファベットによって分類され、内容の簡単な説明がついています。
1度に3点までお願い出来(途中で違うものをお願いすることもできます)、その場で閲覧が出来ます。
私は目録ナンバー「1A」の方の手帳にほっこりさせていただきました(脱力ぐあいが素敵)。
この方の手帳は収集の第1号なんですよ、とギャラリーのオーナーの松岡さんに教えていただきました(とても丁寧なお心遣いをしてくださる方でした)。
「1A」2013年ほぼ日手帳 文庫サイズのもの。
持ち主は当時は大学生だった男性のものです。
(以下「 」内はすべてこの方の手帳より図書室の所定のメモ用紙に許可を頂き私が写し取ったものからの引用になります)
「2013年7月10日 5年ぶり?に手帳かった。小さい字 書けない。
なるべくがんばろっと。」
・・・ なぜ7月?でもなんだかいい感じ。
「ラグビーはタタタタってボール盗んで逃げてる感がある。しかもチームで。筋肉質青春窃盗団」
「ボジョレーヌーボー解禁。禁止になったときもニュースで教えてくれよ」
・・・一番刺さったのは次の走り書き。
「早く大人になりたかった、昔。子供の頃に戻りたい、今。「ちょうど」のとき、いつだったかな・・・。知らんうちに過ぎてたな。」
そして
「2014年4月26日 「note」で手帳収集家に出会った。字がきたなくて申し訳ないな・・・。行ってらっしゃい。」
で彼の記入は終わります。
字の個性や筆圧、どの筆記具、どの手帳類(手帳・スケッチブック・ちらしの裏など)を使っているのかなどで手書きにはその方の性格や、書いた時の状況なんかが表れていて、まさに本音あふれる(本音のみの)1点ものでした。
読んでいて内容の「圧」にずーっと押されっぱなしでしたが、濃い時間を過ごせたと思います。
自分でも手帳はずっと使っていますし、日記も書いていますが、使い方は十人十色だなあ、としみじみ感じました。どんなふうに使ってもいいんですものね。
また行ってしまいそうです☆